ローカル鉄道の時間旅行
杉森涼
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東京〜北海道 各駅停車
(1日目)
東京から奥羽本線で青森へ


 今年も秋の乗り放題パスを利用して北海道へ行こうと思う。最大の目的は、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山に登ることである。標高約2000mの山頂では雪が降るかも知れないが、10月中旬なので何とかなるだろう。
 まずは北海道までのルートを考える。昨年は東京から東北本線で盛岡まで行き、新幹線に乗り継いで青森で一泊。翌日、津軽線で津軽二股まで行き、奥津軽いまべつから北海道新幹線に乗った。
 今年は福島から奥羽本線で青森まで行き、津軽海峡を渡る青函フェリーの深夜便で函館へ向かおうと思う。

大館駅・青森行きの最終電車
大館駅・青森行きの最終電車

東京から東北本線で福島へ

 2018年10月13日。
 東京発7時55分の快速ラビット・宇都宮行きに乗る。この電車に乗ると宇都宮以降の乗り継ぎがよい。
 昨年と同様に宇都宮までグリーン車に乗る。先が長いので、できるだけ楽をしたい。今日は土曜日で通勤客はなく、平日よりはだいぶ空いている。
 車内で軽い朝食やトイレを済ませ、宇都宮に9時29分着。黒磯行きは2分後の発車で慌ただしい。すでに車内は混んでいて、しばらく立たされた。
 50分ほどで黒磯に着き、4分後に出る新白河行きに乗り換える。キハ112形ディーゼルカーの2両編成で、こちらも混んでいたが、2人掛けのクロスシートにひとつ空きを見つけた。

黒磯・新白河行きディーゼルカー
黒磯

 先に座っている明らかな鉄道マニアの人に、ここいいですか?と声をかけたが、目も合わそうとしないので構わずに座る。
 黒磯を発車、ボコボコとディーゼルエンジンを唸らせながら山間を走っていく。
 25分で新白河に着き、郡山行きの電車に乗り換える。ここでの乗り継ぎも3分しかない。那須の山間から盆地に下り、11時32分に郡山に着いた。

郡山・福島行き普通電車
郡山

 8分後に出る福島行きはE721系。クロスシートに座れたので車窓を見ながらゆったりと行けるが、曇ってきて安達太良山は見えなかった。
 12時28分に福島に着き、奥羽本線に乗り換える。次の米沢行きまで23分あるが、改札を出てランチをする時間はない。

福島から奥羽本線で青森へ

 福島から先、普通電車だけだと今日中に青森までたどり着けないので、村山から新庄までの区間を山形新幹線に乗ることにする。
 村山での乗り継ぎ時間が4分しかないので、券売機で乗車券と自由席特急券を買っておく。
 村山と言ってもどこだか分かりにくいと思うが、山形と新庄の間にある。新庄も地理に詳しくないと分からないかもしれない。
 福島を12時51分に発車して庭坂をすぎると、かつて赤岩、板谷、峠、大沢の順に4連続のスイッチバック駅になっていた峠越えの登りとなる。
 赤岩、板谷をすぎると、巨大なスノーシェルター内の峠駅に停車する。ホームには「峠の力餅」の売り子がいて、停車時間は1分あるかないかだが、乗客の何人かが買ったようだ。
 米沢の手前の関根で電気系統の不具合があり、しばらく停車して気を揉んだが、5分程度の遅れで済んだ。

米沢・山形行き普通電車
米沢

 米沢で山形行きに、山形で村山行きに乗り継ぐ。土曜日なので車内は買い物客で混んでいて、ずっと立たされた。
 村山から新庄までは35kmほどだが、今日中に青森まで行くには新幹線に乗らなければならない。
 5分ほど遅れてやってきた新幹線に乗り込む。車内はがら空きで、検札もなかった。自由席とはいえ、リクライニングシートは快適だ。ずっと座っていたい気持ちになる。

新庄まで乗ってきた山形新幹線
新庄

 村山から23分で新庄に着き、15時40分の秋田行きに乗り継ぐ。秋田までは約150km、2時間半もかかる。701系通勤型の窓を背にしたロングシートなので余計にうんざりする。
 横手あたりで日が沈んでウトウト居眠りをしていると、空いていた車内は秋田に着くころには満員になっていた。
 18時11分に秋田に着き、構内のなまはげなどを見て、18分後の快速・大館行きに乗り換える。ホームには五能線を走るリゾートしらかみの車両が停留している。
 快速電車で本来なら嬉しいのだが、大館で1時間20分も待ち時間があるので意味がない。八郎潟など外は真っ暗で何も見えないので、目をつぶってやりすごし、20時02分に大館に着いた。

大館駅のハチ公神社
大館・ハチ公神社

 大館は忠犬ハチ公の故郷で、ホームにはハチ公神社が祭られている。駅前にもハチ公の像があるが、暗闇の街灯に照らされた姿は不気味だった。
 寒いので駅舎の待合室に入ってテレビを眺めながら待つ。待合室は広く昭和の雰囲気が漂っていて、10人ほどが次の電車を待っていた。
 21時20分発の青森行きに乗る。青森まではちょうど1時間30分、最終列車である。
 秋田県から矢立峠を越えて青森県に入り、弘前でほとんどの乗客が下車。弘前から40分ほど走って22時50分、すでに1日が終わっいる青森に着いた。駅前にはほとんど人がいない。

深夜の青森駅とベイブリッジ
青森駅とベイブリッジ

青森から青函フェリーで函館へ

 青森駅前のホテルに転がり込みたいが、2時00分発の青函フェリーの予約をしてある。時間が有り余っているので、フェリーターミナルまで地図を見ながら歩く。
 青森駅を出て、青函連絡船・八甲田丸の近くから階段でベイブリッジに上る。
 ベイブリッジの道を北西へ、ひたすら30分ほど歩くとフェリーターミナルが見えて、23時40分頃に着いた。

青森フェリーターミナル
フェリーターミナル

 青森から函館へは、北海道新幹線を利用すると6740円かかるが、青函フェリーの運賃は1600円。さらに割引クーポンで1,440円になる。
 北海道新幹線が開業してからは運賃の安いフェリーが見直されているという。
 しばらく付近を散策していると、津軽海峡フェリーの乗り場があり、青函フェリーよりも立派な船が停泊している。
 私が乗る青函フェリーの船名は「あさかぜ21」。東京から博多へのブルートレインを思い出す人が多いかも知れない。

青函フェリー・あさかぜ21
あさかぜ21

 船内に入り、いくつかに区切られた大部屋で横になると、長い1日が終わった気分になった。
 函館には約4時間後の5時50分に着く。明日は函館本線で倶知安まで行き、明後日、羊蹄山に登る予定である。
(つづく)


 東京〜北海道 各駅停車10日間
 【1日目】東京から奥羽本線で青森へ
 【2日目】函館から倶知安へ
 【3日目】比羅夫駅から羊蹄山に登る
 【4日目】千歳駅から支笏湖、紋別岳へ
 【5日目】小樽の手宮線跡と旭展望台
 【6日目】留萌本線の恵比島駅と廃線跡