本土最東端から珸瑤瑁・歯舞へ朝5時半に釧路を出て、本土最東端である根室の納沙布岬を散策したがまだ10時なので、次のバスが来る12時まで根室の市街地へ向けて歩くことにする。 約2時間あるので珸瑤瑁(ごようまい)を経て歯舞(はぼまい)までは行けそうだ。 納沙布岬から歯舞へ歩く2016年11月。納沙布岬を後にして、北太平洋シーサイドラインと書かれた道道35号線を歩いていく。歯舞地区までは5kmほどである。 納沙布岬の近くには、北方領土を望める展望台である高さ96mのオーロラタワーが目を引くが、その下には最東端の神社である納沙布神社がひっそりと建っている。 オーロラタワーと納沙布神社 岬というと断崖絶壁に灯台が立っているイメージだが、この納沙布岬は平坦な岬だ。日本最東端は北方領土の択捉島だから、納沙布岬は本土最東端という表記になる。 道道35号線は2車線で歩道もある立派な道路だが、交通量はほとんどなく、歩いている人はまったくいない。辺り一面は枯草に覆われていてとても寂しい雰囲気である。 納沙布岬から20分ほど歩いて珸瑤瑁地区に入ると、最東端の小学校という珸瑤瑁小学校が建っているが、2013年3月に閉校になり、2階建ての横長の校舎が残されている。戦前の根室は千島への拠点だったので、子どももたくさんいたのだろう。 日本最東端の小学校 道道の電柱には、「返せ!北方領土」と書かれた青色の看板が並んでいる。ところどころに巨大な風車が回っていて、今日は穏やかな天候だが、海沿いの原野のような感じなので普段は風が強そうだ。 珸瑤瑁金刀比羅神社から5分ほど歩くと、こじんまりとした珸瑤瑁郵便局が見えてきた。日本最東端の郵便局と建物にも表示されている。 記念に風景印を捺してもらう。風景印には、納沙布岬灯台と本土で一番早い朝日が描かれている。 日本最東端の郵便局 珸瑤瑁地区の中心部には道路沿いに民家が建てこんでいたが、またすぐに寂しくなった。 やがて歯舞地区に入ると熊笹に覆われた低い丘陵の向こうに水平線とポツンポツンと民家が見える。 歯舞という地名は、歯舞諸島を望む起点という意味なのだろうか。貝殻島での昆布漁は、この歯舞の漁港から出航するらしい。 この辺りには、珸瑤瑁、歯舞など、「まい」が付く地名が多く、中間にはマヨマイというのもあった。 歯舞地区に入る バスの時刻が近づいてきたので、歩くのをやめてこの辺りを散策することにする。 歯舞には郵便局、コンビニ、スナック、喫茶店、神社、お寺などがあり、納沙布岬から歩いてきて、ここが最東端の街なのだなと思う。 スナック婆という店があり、ママがお婆さんなのだろうか、それとも意表をついてBARなのか。隣には寿司屋もある。 昭和34年まで根室からこの歯舞までの約15kmを根室拓殖鉄道が運行していたという。日本最東端を走っていた鉄道である。昔はそれだけ活気があったのだろう。 歯舞郵便局の前にバス停があり、そろそろ時間なので、ここから乗ることにした。近くにあるのは最東端のガソリンスタンドだろうか。 根室市街を散策12時3分発のバスに乗り、根室市街の朝日町で下車して、列車の時間まで1時間ほど適当に散策する。根室市街で下車 地図に弁天島というのがあるので、坂道を下って港まで見に行く。弁天島は根室港を守る防波堤の役割をしている無人島で、小さな神社が建っているのが見える。 その後も根室の街を歩くが、とにかくだだっ広くて、寂しさが漂っていた。 日本最東端の駅・東根室へ歩く根室駅に13時すぎに戻ってきたが、釧路行きの列車は13時32分発なので、最東端の旅のついでに隣駅の東根室まで1.5kmを歩くことにした。東根室は日本最東端の駅である。地図を見ながらできるだけ線路から離れないように歩いていく。市街地を出はずれると赤い欄干の跨線橋の上から東根室駅が見え、ちょうどよいタイミングで根室行きの列車がやってきた。 東根室駅を通過した列車 この折り返しに乗るのだが、時間が迫ってきたので軽く走って東根室駅へ向かう。 息を弾ませて13時30分に東根室駅に着いた。住宅地にある駅である。隣駅だった花咲が最近廃止になったので、それを塗りつぶして「にしわだ」と表示されている。 板張りの簡素なホームで待っていると、すぐに釧路行きの列車がやって来た。先ほど跨線橋から見た車両である。 東根室駅から普通列車に乗車 東根室から釧路へ平日の昼すぎで空いていたので、釧路までの2時間半、ゆったりと車窓を堪能できた。途中のトンネル内でエゾシカと接触してしばらく停車したが、10分ほど遅れて釧路には16時に到着。明日は釧網本線と石北本線を乗り継いで旭川まで行く予定だ。 北海道フリーパスを利用しているので、みどりの窓口で特急の指定席を確保する。北海道フリーパスは、特急の自由席が乗り放題だが、指定席にも6回まで乗ることができる。 とりあえず、明日乗車する網走13時26分発の「オホーツク6号」と4日後に乗る予定の稚内から旭川への「サロベツ」の指定席も取っておく。 外に出ると雨が本降りになっており、急ぎ足で和商市場へ行ってみた。 雨が本降りの釧路駅 好きな刺身を買って自分でアレンジする勝手丼を食べてみたかったのだが、営業時間がもうすぐ終了ということで、次回来たときの楽しみにしようと思う。 (つづく) |
北海道 果てしない旅 |
北斗星の輝き 南の果て襟裳岬へ 東の果て納沙布岬へ 本土最東端から歯舞へ 釧網本線と釧路湿原 秋のオホーツクを歩く 北の果て 宗谷岬へ |