洞爺湖と西山火口散策路西山山麓火口散策路有珠山から下山した後は、有珠駅から洞爺湖温泉行きのバスに乗り、洞爺湖手前の西山散策路で下車、次のバスまで45分ほど散策する。西山山麓火口散策路は、西暦2000年に噴火した有珠山の西山に位置し、町道に開いた火口、隆起または水没した道路、倒壊した建物など、噴火の力の大きさを感じることができる、枕木でつくられた全長1.3kmの遊歩道である。 水没した道路 バス停から散策路に入るとすぐ土産物屋があり、ソフトクリームを推しているが、晩秋のせいか観光客はまったくいない。 左には地盤が沈下してできた沼があり、止まれや50km/hの道路標識、傾いた電柱、垂れ下がった電線、取り残された車などが水没している。いきなりすごい風景だ。 ここから崩壊した町道を上がっていく。2車線の道路である。 ガードレールは倒壊して折れ曲がり、アスファルトもボコボコしているのだが、上がっていくほどに凄まじい景色になってきた。 アスファルトは崩壊して階段状になっており、その間隙から草がぼうぼうに生え、ここが本当に町道だったのかという風景である。 崩壊した町道 だいぶ坂を上がってきたのだが、噴火前は豆などが収穫できる畑が広がっていたそうだから、起伏はほとんどなかったのだろう。2000年の噴火で70mも隆起したのだという。 一番高いところまで上がってくると、奥には倒壊した菓子工場、その向こうには噴火湾が広がっている。 紅葉が残る樹木の中に埋もれた菓子工場の屋根には土が堆積し、樹木まで生えていて、このまま自然に帰るのであろう。 斜面の熊笹や灌木帯には、ところどころ噴煙が上がっていて、まだ火山活動が続いていることがよく分かる。 バスの時間が近づいてきたので、来た道を戻ると洞爺湖を取り囲む山稜の上に、雪で白くなった羊蹄山が顔を出している。蝦夷富士と言われる通り、美しい形をしている。 羊蹄山が見える 西山火口から洞爺湖へふたたびバスに乗り、終点の洞爺湖温泉へ向かう。洞爺湖畔に着くと雲が多いが、空気は澄んでいるようで遠くまで見渡すことができた。 カルデラの湖に浮かぶ中島、その左奥には羊蹄山が見え、遊覧船が航行している。 遊歩道にさまざまな国旗が風に靡いているのは、2008年の洞爺湖サミットの名残だろうか。 しばらく湖畔を散策して、13時15分発の室蘭行きのバスに乗ると、外国人が多く車内は満員である。 この後は測量山に登って室蘭市街や白鳥大橋の夜景を見る予定だ。 洞爺湖 洞爺湖から室蘭へ洞爺駅で列車に乗り換えるか迷ったが、乗り継ぎが面倒なので、そのままバスで室蘭まで直行する。乗客は観光客から地元の人に入れ替わり、伊達紋別などを経由すると室蘭駅近くには15時半ごろ着いた。 室蘭駅から測量山へは3kmと表示されているが、これは車道のことで、地図を見るとショートカットできそうである。 駅前の一段高い場所にある商店街から長い急坂を10分ほど上がっていくと、車道が終わって階段となり、水道施設か何かの小屋脇の獣道を登ると、駅から続く測量山への車道に出た。 2車線の車道を上がっていき、紅葉で覆われた唐松平をすぎ、小さな神社を見るとアンテナが林立する測量山に着いた。 室蘭・測量山から夜景を見る測量山の標高199.6mの山頂は、広い展望台になっていて、360度の大パノラマである。今日は曇っているが、白鳥大橋とその左に有珠山がぼんやり見える。天気がよければ函館の恵山岬や駒ヶ岳、羊蹄山も見えるようだ。もう少し早い時期なら紅葉が綺麗だったと思う。 測量山からの眺め 16時をすぎ、日は暮れかかってきたが、夜景が見れるまでにはまだ1時間ほどあるので、1.5km先のマスイチというところまで往復することにした。 室蘭八景のマスイチから、黄葉で覆われた外海の断崖や海面から顔を出しているローソク岩を見て、再び測量山へ戻る。 夕方は数人の観光客がいたが、もう誰もいない。日が落ちて空が紺色に染まり、市街や白鳥大橋に灯りがともり始める。 余りにも風が強く、寒くて手が悴み、写真はブレブレになったが、夜景は綺麗であった。 白鳥大橋の夜景 今晩も東室蘭のホテルに泊まり、明日は母恋富士などを散策して、札幌へ向かう。 (つづく) |
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