花咲線・昆布盛から落石へユルリと歩く昨日は改めて秋の乗り放題パスを買って、釧路湿原を散策した。今日は花咲線の車窓を見て、かねてから訪れてみたかった別寒辺牛湿原を散策しようと思う。 別寒辺牛湿原が広がる糸魚沢から厚岸へ歩くつもりだが、釧路始発の根室行き「快速はなさき」は糸魚沢には停車しないので、時刻表と相談して普通列車の時間まで昆布盛駅から落石駅への4kmを歩くことする。 釧路から昆布盛へ2017年10月21日釧路5時35分発の快速はなさきに乗って約2時間、120km先の昆布盛へ向かう。昆布盛とは、昆布が大盛りのサラダのような駅名だが、アイヌ語のコムプモイが由来で、昆布がとれる湾を意味するそうである。 今日は土曜日で観光客が多く乗っている。眺めがよい海側の席は埋まっているので、山側の席に座った。 ![]() 釧路駅 丘陵地帯を越えて海に出、厚岸をすぎると列車は別寒辺牛湿原を走行する。雲間から陽が差してはいるが、天気が怪しくなってきた。 ヨシだかアシだかでまだ薄茶色だが、一ヶ月もすれば一面が真っ白な雪原になるのだろう。初夏の緑も見てみたい。 ![]() 別寒辺牛湿原 やがて落石岬が見えて、7時43分に昆布盛駅に着いた。このまま根室駅まで行って、折り返してもよいのだが、初めての道を歩くことにしよう。 駅前には何もないが、小さな駅舎というか待合室が寂しく建っている。窓にはプロレス興行のポスターが貼られている。乗降客は高校生の通学くらいかと感じるが、灰皿の置いてあるので、割と利用する人がいるのかも知れない。 ![]() 昆布盛駅 隣の落石駅を8時42分に発車する列車に乗るので、昆布盛駅から落石駅への4kmを1時間で歩く。あまりゆっくりしてはいられない。 ![]() 昆布盛駅 昆布盛から落石へ風力発電の大きな風車が見えるる海の方へ歩いていくと、華盛稲荷神社が建っている。赤い鳥居の向こうに漁港が見える立地で、昆布漁での安全や繁栄を願ったのだろう。![]() 華盛稲荷神社 神社から漁港へ下っていくと、北海道の天然記念物に指定されている無人島のモユルリ島とユルリ島が見えてきた。真っ平の島なので、漁港を守る防波堤のようにも見える。それにしても異様な形の島である。 ![]() モユルリ島とユルリ島 漁港への道と分かれて、坂を上って県道142号線に出る。落石の中心街までは6kmと表示されているが、落石駅へは3kmほどである。 何の木なのか分からないのだが、道路の両側に整然と植えられている。根室は暖流と寒流がぶつかるところにあり、1年のうち100日以上も霧が発生するという。海霧が立ち込めると太陽の光が届かず作物が育たないなどの害があるので、そのための防霧林のようだ。 県道を歩いていくと浜松海岸駐車公園があり、天気はあまりよくないが、沖合いにユルリ島が見える。 ![]() 県道142号線 ユルリ島は、アイヌ語で鵜が居る島を意味し、周囲7.8kmの平坦な島。モユルリ島のモは小さいを意味し、ユルリ島の5分の1の大きさである。 かつての昆布漁では船にエンジンがなく、沖合いから本土まで運ぶのが大変ということで、ユルリ島で昆布を干していた。そのユルリ島に昆布を引き上げる動力として馬を持ち込んだのだが、エンジン付きの船が使われるようになって見捨てられた馬たちが野生化、数少ない年老いた子孫がいるのだという。 ![]() 浜松海岸とユルリ島 高台には巨大な風力発電の風車が並んでいる。それだけ風が強いというのに、霧が立ち込めるのは不思議な感じがする。 落石は、アイヌ語のオッチン、オクチンが語源で、尾根のくぼみを意味するらしい。 ![]() 風力発電 ユルリ島の右には、七つ岩が見える。釧路沖地震で岩の1つが崩壊したというが、右から2番目の岩だろうか。 ![]() ユルリ島と七つ岩 浜松海岸は根室十景の一つで、数kmにおよぶ砂浜である。根室十景とは納沙布岬、風蓮湖、春国岱、温根沼、明治公園、北方原生花園、落石岬、浜松海岸、長節湖、花咲灯台車石。すべて行ってみたいが、生きているうちには行けないだろう。 ![]() 浜松海岸 浜松海岸から離れ、10分ほど歩いて落石の集落に入ると、落石駅の標識が現れた。 ![]() 落石駅入口 駅前は民家が疎らにあるのみで、店舗などはまったくない。 ![]() 落石駅 8時42分発の普通・釧路行きに乗って、約60キロ先の糸魚沢駅へ向かい、別寒辺牛湿原を散策する。 ![]() 釧路行きの普通列車 (つづく) |
秋の乗り放題パスの旅 |
東京から青森へ 青森から苫小牧へ 苫小牧から釧路へ 塘路駅からサルボ展望台へ 細岡駅から釧路湿原へ 糸魚沢から厚岸へ、別寒辺牛湿原を歩く 根室本線の鈍行で釧路から新得・滝川へ 札沼線は爆弾低気圧が接近中 雪の美瑛をレンタサイクルで散策 富良野から星の降る里・芦別、夕張へ 三菱石炭鉱業大夕張線跡を辿る 苫小牧から深夜のフェリーで八戸へ |